RYOZAN PARK 列伝 vol.1 《大杉 慎平》

RYOZAN PARK 列伝 vol.1 《大杉 慎平》

山手線沿線の巣鴨でシェアハウスを運営して10周年を迎えました。

シェアハウスメンバーはOB・OGを含めると170名を超えるコミュニティとなり、シェアハウスを卒業(退去)後も交流が続いており、時にはRyozan Park の刺激を求めて再入居するメンバーもいます。

今回は、そんなRyozan Park 巣鴨のシェアハウスメンバーをご紹介します。

 

 


 

株式会社 Japan Data Science Consortium 取締役Chief Data Science Officer

大杉 慎平

OHSUGI Shimpei

 

1986年生まれ、茨城県出身。東京大学にて修士号を取得。在学中に認定NPO法人Teach for Japanを共同設立後、マッキンゼーアンドカンパニーに入社。2017年にRyozan Parkに入居し、起業を志す。

現在は株式会社Japan Data Science Consortium(旧:日本データサイエンス研究所)の取締役を務めつつ、同大学博士課程で研究活動に従事している。

https://jdsc.ai/mission/

(ーー高校時代はどんな青春を送っていましたか?)

筑波の高校に通っていて、ひたすら剣道に打ち込む毎日でした。苦痛の日々でしたね(笑)。

小学校のときから続けていて、高校では主将も務めていました。ただ、剣道が将来役に立つっていうのが当時の自分には想像できなかったので、勉強にも力を入れてましたね。それで両方頑張っていたら、周りに心配されてしまいまして。でもそれが逆にモチベーションになったんです。周りから応援されたり声をかけてもらえるのが嬉しくて。そんな人たちに報いることができたらなって。結果、部活では県ベスト8まで進んで、大学もストレートで入ることができました。

(ーー大学から東京へ?)

そうです。東大理科II類へ進みました。大学入ってからも頑張って、成績上位10位は医学部に入れるんですけど、残念ながら15位でして。そこで一度方向性を見失いかけたんです。これからどうしようかなって。それで、取り敢えず小学生の頃から絵が好きだったので建築学科へ進むことになりました。でも、そこでもデザインを重視した勉強ばかりで・・・。人の役に立つ公共性というものであったり、科学的なアプローチっていう視点が欠けていて、なんというか失望したんです。

(ーー大学院には進まなかったんですか?)

惰性で受けた建築学科の院も受かったんですけど、やっぱり自分がやりたいこととは違ったんで、入学せず1年ほどボーッとしてました。法科大学だったり医学部を受け直そうとも考えましたけども、やはりデジタルの勉強したくなって。もう一度受験し直すためにユニクロでバイトして学費を貯めつつ、プログラミングも勉強し直さなきゃいけませんでしたね。部屋にこもってこそこそ勉強してたんで、当時は精神的に参ってしまい、親にも色々心配されました。肩身は狭かったけど、そんな生活も1年で終わったのが幸いでした。

(ーー大学院も東大へ?)

修士課程は東大の情報学環に入って、そこでは建築ではなくIOT(*1)の研究をしていました。そのときに今の会社に役立つ基礎研究である、電力データから需要を予測するというものを。AIとIOTの先駆けみたいなものですかね。

情報学環にいる間にデジタルの会社作ろうと思った。起業家の養成講座の縁で、経済格差によって教育格差が起こる負の連鎖を断ち切るプロジェクト、Teach for Japanの立ち上げに参加させていただきました。そこにいろんな大手企業の方々が手伝いに来ていまして、その中で出会ったのがマッキンゼーの社員さん。当時はコンサルという業種すら知りませんでしたが、その方に勧められる形で修了と同時にマッキンゼーに入社しました。

(ーー全く知らない業界に入ったわけですが、心境の方は)

1、2年目はとにかく地獄でした。めちゃめちゃ辛かったです。当時、一番厳しいマネージャーに当たったようで、死ぬんじゃないかと。そんな環境で鍛えられたんで、力はつきました。

ただ今度は、自分自身が顧客の皆様からいただくお金に見合った価値を見出してるのか疑問に思い始めた。取り敢えずマネージャーになるまでは頑張ったんですけど、せっかく持っているデジタルのリテラシーを活用できないのがもどかしかった。デジタル領域でもっと価値を生みだせないかと考え、

会社に直談判したところ、博士課程に進ませてもらえることになりました。

(ーーそのタイミングでRyozan Parkに入居したんですね)

そうですね。人と触れ合いたかったのでシェアハウスを探してました。当初は別のシェアハウスに住むことを決めてたんですけど、一応内見でRyozan Park(以下RZP)に来まして。そこでオーナーに出会って、男気に惹かれたというわけです。あんな面白い人いませんからね。帰りの山手線で迷った挙句決めました。

(ーー設備に惹かれて入居する方は多いと聞きますが、オーナーの人柄に惹かれたんですね)

もちろん設備も綺麗だとは思います。ただ、そこよりはオーナーのノリというか勢いに惹かれたのが決め手でしたね。

(ーーRZPに入居してから会社を設立したんですね)

入居中の2018年秋。博士課程に在籍しながらですね。みんなで飲んでる中で、将来の話をしてたんですよ。そこで「ここを卒業するまでにデジタルの会社作ります!」って宣言しました。それで、設立のタイミングでマッキンゼーを正式に去ることになりました。

(ーーどんな会社でしょうか)

日本データサイエンス研究所(現:株式会社Japan Data Science Consortium)という会社で、ざっくり言うとAIの会社です。

 

取り組んでいることの例としては一つが、公開しているものですと、物流の最適化です。不在配送だけで年間2千億円のコストがかかるところを、2020年から電子化された電力データを元に、人工知能が配達先の不在を回避し、在宅と配達時間をつなげるというものです。その結果、不在配送が9割近く削減できる可能性があるとわかりました。

もう一つはその派生で、高齢者の健康維持のサポート。要介護の前段階としてフレイル(=衰弱状態)という状態があるのですが、フレイルは可逆性のある状態。ですので、フレイルの段階で対処すれば、健康な状態に戻ることができます。軽度のフレイルを各家庭の電力データを元に把握できるのではないかという仮説があったので、三重県で実証実験をしました。そこで実装の目処が立ったので、現在は自治体と共同でサービスを展開しています。

(ーー会社設立までの苦労は?)

実はそこまで追い込まれることもありませんでした。みかん箱を机代わりに仕事したりもしてましたが、苦労よりは楽しかったですね。RZP含めて、毎日ひたすら新しいことが起こってました。みんなの話聞いててもそうですし、面白いこと、多様なことやろうぜっていう価値観に触れるのが楽しかったです。楽しすぎて仕事が回らなくなりそうだったので、いったんRZPを卒業しました!!

 

(ーー改めてRZPに戻ってきたご感想は?)

またここに来れば面白いことがあるだろうという期待感に溢れてますね。実際、自分が変わっていってる感覚が得られるというか、振り返った時に、ここの経験、メディアアートを作ったり研究したり、ここで出会ったものがインスピレーションになってたことに気づいたんです。ひとり暮らしでは得られない刺激に満ち溢れています。

(ーーあなたにとって、RZPとは)

多様な価値観にもまれて、志を高めていく場ですね。全然自分と違う人に会える。自分の極めて貧相な価値観ではなく、豊かな価値観を得られて、そこからもっと良い世の中を作ろうというモチベーションをもらえる場です。

(ーー今後の活動の目標は?)

アップグレードジャパンというミッション、日本をデジタルでアップグレードするという目標に見合う、価値の創造に尽きる。その原動力としても、今まで見えてなかった価値観をRZPを通して刺激をもらって、みんなで高め合っていきたいなと思います。

 


 

Ryozan Park 巣鴨は、ラグジュアリーなシェアハウス。41室の陽当たりの良い部屋、ジム、リビング、図書館、広々としたダイニングキッチンにはバーも完備。楽器も鳴らせる防音室、屋上ガーデン、ランドリースペースに加え、多目的イベントスペースでは、ヨガ教室から会議に加え、パーティーや映画鑑賞会まで楽しめます。三階は女性専用になっており、ヘアケア用グッズや美容器具なども揃っています。

現在もシェアハウスの入居者を募集しておりますので、お問い合わせお待ちしております。

なお、入居いただく際には、コミュニティ運営の観点から、事前面談をさせていただいておりますので、ご了承くださいませ。

◉お問い合わせ先

[email protected]

03-6912-0304(平日10:00〜19:00)



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